和歌山の税理士 尾崎敦のブログ

節税を考えた給料支払いの2つのポイント

2012年10月18日

ご覧いただいてありがとうございます。

こんばんは。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

今回は会社で家族に給与を支払う場合のポイントを2つお伝えします。

 

①会社から家族に給料を支払っても配偶者控除や扶養控除の対象になる。 

 

個人事業では事前に届出をすることで

家族に給料を支払うことはできますが、

給料がいくらであっても個人事業主が

配偶者控除や扶養控除を受けることはできなくなります。

 

これが会社の場合だと給料の金額が103万円以下であれば

社長個人の税金の計算上サラリーマンと同様に

配偶者控除や扶養控除の対象となります。

 

 

②家族の給料が平均になるように意識して給料を支払う。

 

以前もお伝えしたように所得税は給料が多い方が税率が上がります。

 

たとえば家族全体の給料の合計が1,500万円だった場合、

 社長一人の給料を1,500万円とするよりも、

社長と家族2人でそれぞれ500万円ずつの給料とした方が

家族全体で支払う所得税は減ることとなります。

 

この場合の注意点として、家族が行う仕事の内容に

見合った給料かどうかというものがありますが、

業種や会社の状況によって個別に判断する必要があるため

今回は割愛させていただきます。

 

また、個人事業であっても届出を事前にしていれば

家族に給料を支払っても経費になるため

この部分だけであれば会社に限った話ではありませんのでご注意ください。

 

その他、会社のメリットとして以前にもお伝えした退職金などがあります。 

 

会社のメリットとは言い切れませんが、

特に②の考え方は覚えておいてもらいたいと思います。

経験上あまり意識されていないことも多く、

状況次第では多額の節税になるケースもあります。

 

具体的な金額については先述しましたが個別の判断が必要になるため

税理士に相談するようにしてくださいね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。



個人事業と比べて会社を選ぶデメリット

2012年10月14日

ご覧いただいてありがとうございます。

こんばんは。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

今回は会社を選ぶデメリットについてお伝えします。

 

①赤字であっても法人住民税(均等割)の支払いが必要

 

都道府県や会社の資本金等にもよって金額は変わりますが、

和歌山県和歌山市では赤字でも最低71,000円の支払いが必要になります。

 

②健康保険と厚生年金の加入が強制される

 

一概にデメリットとは言い切れない部分はありますが、

従業員の分も含めて会社が社会保険料の約半分を負担することになるため

基本的には出費が多くなります。

 

③会社で稼いだお金を自由に使えなくなる

 

費用になるかどうかは別として

個人事業では稼いだお金を何に使ってもかまいませんが、

会社の場合には制限があります。

 

業務に関係のない個人的な生活費などを会社が負担した場合は、

基本的には給与、賞与といった扱いになり個人の社会保険や税負担が増えます。

 

④役員の給与の変更は決まった時期までにしないといけない

 

厳密にはデメリットというわけではありませんが、

役員の報酬は基本的に決算が終わってから3カ月以内に変更しないと、

差額部分は会社の費用にならない扱いになります。

 

たとえば、3月決算の会社が事業が好調なため10月に社長の給与を10万円増やしたとしても、

その10月から3月までの6カ月×10万円=60万円の差額部分は

会社の費用にならないことになります。

 

支払うこと自体はできますが、

会社の費用にはならなくても

受け取る個人の給与にはなるため、

個人が負担する社会保険や税金は増えることとなります。

 

③に記載した給与になるもので毎月発生しないものについては、

④の取り扱いで会社の費用には認められないことになります。

 

補足ですが、会社の業務に必要な支払か判断するのが難しいと感じられることが多いようです。

会社では費用にならないものを費用処理していたり、

逆に費用になるものを処理していないことがあります。

不明な場合は税理士に相談するようにしてくださいね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。



税金面で個人事業より会社を選ぶ理由

2012年10月11日

ご覧いただいてありがとうございます。

こんばんは。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

今回は個人事業と比較した際の会社の税金計算上のメリットをいくつかお伝えしたいと思います。

 

①最高税率は会社の方が低い

 

個人の税率は利益の額によって段階的に上がっていきますので、

利益が一定額以上だと会社の方が税率が低くなります。

 

ただ、状況にもよりますが開業時はあまり考えなくてもいい部分になるかもしれませんね。

開業1年目で多額の利益が出る予定なら別ですが、

そうでなければ利益が見込めるようになった段階で

個人事業から会社に変更すればいいと思います。

 

②損失を繰り越せる期間が個人事業より長い

 

事業の推移次第では会社の方が節税になる大きな要因の一つになります。

損失を繰り越せる期間は個人事業では3年間ですが、会社は9年間になります。

特に開業当初は出費も多く損失になりやすいものですが、

「計画では開業時の損失を回収するのに3年以上かかる」という場合は、

はじめから会社を設立することも検討された方がいいと思います。

 

③社長やその家族へ支払う給与等で節税することができる。

 

一例として退職金があります。

退職金は個人の税金の計算上優遇されています。

会社が社長やその家族に支払った退職金は会社では経費になりますので、

会社が負担する税金と個人(社長とその家族)の税金との合計額は

退職金を支払うことで減少するケースが多くなります。

 

④個人事業と比較し費用に認められる範囲が広い

 

一例としては、生命保険料が費用になることですね。

保険の契約内容にもよりますが会社の場合は保険料の全額が費用になることもありますが、

個人事業であれば経費ではなく生命保険料控除での取り扱いとなり限度額があります。

事業主の保険料の負担額は一般的に限度額よりも多いため、

差額分だけ会社の方が税金の計算上有利になることが多いです。

 

お伝えした中で開業当初から個人事業ではなく会社を設立することを決めることに

影響が大きいのは②の損失の繰り越せる期間でしょうか。

それ以外のものは基本的に個人事業での業績を見て

一定以上利益が出るようになった後に検討してもいい部分になるかと思います。

ご参考になれば幸いです。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。



間違いやすい医療費控除

2012年10月06日

ご覧いただいてありがとうございます。

おはようございます。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

確定申告の際の医療費控除についてはご存知の方も多いのですが、

対象になる支払いはあまり把握されていないことがあります。

 

以下に間違いやすいものを記載しますので

対象となる領収書は捨てないように気をつけてくださいね。

 

〇対象になるもの

 ①薬局やコンビニ等で買った医薬品(風邪薬など)

 ②通院のための電車代やバス代

 ③急病による入院や電車、バス等の利用ができない場合のタクシー代

 ④レーシック手術の費用

 ⑤入院時の食事代で病院等の医療機関から支給された分

 ⑥人間ドックや健康診断の費用で疾病が発見され引き続き治療を受けた場合

 

〇対象にならないもの

 ①栄養ドリンクや医師の処方のない漢方薬、ビタミン剤など

 ②通院のための自家用車のガソリン代や駐車場代

 ③入院時の食事代で出前や外食

 ④人間ドックや健康診断の費用で、疾病が発見されなかった場合

 

上記のうち通院のための電車代やバス代は一般的に領収書はもらえないことも多いので、

ご自身で記録しておく必要があります。忘れないようにしてくださいね。

 

また、通院のための自家用車のガソリン代や駐車場代は対象になりませんのでご注意ください。

 

他にも細かく決められていますので判断に迷うものが出てきた際は、

国税庁のHPで確認するか税理士にご相談するようにしてくださいね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

 



会社への貸付金は相続財産になります。

2012年09月30日

ご覧いただいてありがとうございます。

こんばんは。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

以前のブログ(赤字の会社が意外としていないこと)の補足になりますが、

会社への貸付金は相続財産になります。

 

いつか返してもらえばいいと考えて

返済してもらえる見込みのない会社への貸付金に対して

何も対策をとらずにいた場合は相続税がかかることにもなりかねません

 

もちろん会社からお金で返済してもらえればそれに越したことはないのですが、

物で返済を受けること、貸付金を放棄することなど

会社の状況にもよりますが他にも有効な対応策は考えられます。

 

 

法人税や消費税などの取り扱いもありますので、

慎重に検討しないといけませんが、

会社への貸付金が相続財産になると知らなければ、

検討することもなく相続税を払わなければいけないことになりかねないので、

税理士に一度相談するようにしてみてください。

 

特に社歴の長い会社であればあるほど、

会社への貸付金が多い可能性がありますのでご注意くださいね。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。



相続税対策ではじめにすること

2012年09月22日

ご覧いただいてありがとうございます。

こんばんは。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

今回は相続税対策ではじめにすることについてお伝えします。

 

相続税対策って何をすればいいですか?と聞かれることがよくあります。

 

返事は毎回同じで「まず相続財産がどれだけあるか確認することです。」とお答えしています。

 

意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが

相続税対策というだけなら相当な数の方法があります。

 

ただ、お金や手間がかかるもの、将来的なリスクがあるものも数多くあります。

 

例を一つあげると、よく節税本に書いてあるものの中に

現金で持つよりアパートを買おうというものがあります。

 

実際のところ相続税だけを考えると現金よりもアパートの方が

評価額が下がるため相続税は減ることになります。

ただし、建物の登記費用などの出費が増えるだけでなく、

アパート経営が上手くいかない場合

維持費などで損をするリスクがあります。

 

実際に相続税対策だけを考えてアパートを取得し

結果としてそれ以上のお金を失ったケースも見てきました。

 

誤解しないでいただきたいのですが、

相続税対策としてアパートを買ってはいけないというわけではなくて、

まずはじめにそれだけの対策が必要かどうかを検討しないといけないとお伝えしたいのです。

 

まず相続財産がいくらあるのかを把握して、

おおよその金額であっても相続税がいくらになるのか、

そもそも相続税がかかるのかを計算し、

それぞれの状況に合わせた対策を取るように心がけてみてください。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。



生命保険を使った節税について

2012年09月16日

ご覧いただいてありがとうございます。

こんばんは。

和歌山の税理士の尾崎です。

 

今回は生命保険を使った節税についてお伝えします。

 

本でもよく紹介されていることもありご存知の経営者の方も多いと思います。

ただ、節税になる理由を把握していないまま「節税になるから」とか「知り合いに勧められたから」という理由で

よく分からないけど掛けているというケースもよく聞きます。

 

簡単にお伝えすると、まず保険料が増えることで利益が減少し、結果として税金が減少します。

その後、社長が退職する時などにあわせて解約することで解約返戻金をもらうようにします。

基本的に解約返戻金は利益になりますが、退職金などと相殺されるため税負担はなくなるという流れになります。

 

退職時にあわせて解約するのであれば、

退職金を前倒しで支払うイメージになりますね。

 

当然のことではありますが退職時でなければ解約できないわけではありませんので、

多額の損失に備えての積み立てというイメージでもかまいません。

 

保険料として支払った金額より解約返戻金の方が多いというわけではなくても、

保険料を支払っていた期間は法人税等の税金が減少しているため、

減少した税金も考慮した場合は、

解約返戻金+減少した法人税等の額 > 支払った保険料

上記のようになり最終的には会社にお金が多く残るという節税策になります。

 

注意点は大まかに言うと以下のものになります。

①先に保険料としてお金が出ていくため、解約するまでの間は資金繰りが圧迫されること。

②解約返戻金がピークになる時に退職あるいは解約するだけの理由が発生しているか確実ではないこと。

③契約期間中に利益が出ない年が多い場合は、支払った保険料の方が多くなる可能性もあること。

 

あくまで節税目的のみで保険をかける際は、

上記のことに注意する必要があります。

 

社長に何かあった際の保障も含めて考えるのであれば、

妥当な保険金の額は生命保険会社で計算してくれると思いますので、

お付き合いのある保険会社へ相談するようにしてみてください。

 

最後に、万が一資金繰りが厳しくなったとしても安易に解約はしないようにお願いします。

保険料を安くしたり払い済み保険として保険金を下げることで

ある程度の保障を残しながら今後の保険料は支払わなくてもいいようにする方法もあります。

 

解約を検討する際は上記の方法も考慮に入れるようにしてみてください。

特に中小企業の場合は社長や中心人物がいなくなった時の影響が大きいので

保障が一切なくなることのリスクも考慮してくださいね。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。



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